今年も気づけば年末が近づいて参りました。
昨年のこの時期にはクリスマスソングの回として、もろびとこぞりてを使った練習についての講座の記事を書きました。
今年もクリスマス時期に弾きたくなる曲を、という事できよしこのよるのギターアレンジについて書いていきたいと思います。
この楽曲は1800年代初頭に作曲された楽曲ですが、今日では比較的容易に作曲者による手稿楽譜も見る事が出来ます。
この曲の元々の調はギターでも演奏し易い二長調(Dメジャー)で書かれており、我々ギタリストにとっては好ましい事であります。
具体的には、二長調の楽曲では楽曲を構成する上で重要になる3つの和音がD、A、Gといった、比較的初級者の方にも馴染みが深いであろうセーハを伴わない和音になる事。
また、ギターのレギュラーチューニングではレ(D)の音を④弦の解放弦で出す事が出来、ラ(A)音も⑤弦の解放弦で出す事が出来る為、根音(ルート)をキープし易く、さらに上記D、A、Gの和音の構成音にも解放弦で出せる音が多数含まれている点等も挙げられます。
オリジナルの楽曲はギター伴奏で書かれたという逸話等もあり、原曲の調設定ももしかしたらその様な気遣いがあっての事なかも知れないな、と過去に思いを巡らせています。
さて、では前置きはそろそろ終わりにしてアレンジに進んで参ります。
まず、皆さんも恐らく頭のどこかに残っているであろう旋律に和音をメモ書きしたものを提示致します。調はオリジナルと同じ二長調です。
さて、それでは次にシンプルに音を足して行きます。単純に和音の構成音を、左手が押弦可能なポジションの各弦から選択して厚みを持たせる感じでいやっていきます。
強拍の部分で和音が鳴る形にするだけで、少しはギター独奏っぽくなって参ります。
しかし、これではいまいち面白味に欠けます。せっかく弾くならもう少し弾きごたえのあると申しますか・・・聴いても弾いても面白味のある、アレンジが出来ないものでしょうか?
さて、そこで今回はDやA調の楽曲を演奏する際に時に低音域を拡張して音楽に厚みを持たせる効果を発揮する⑥弦をDに下げるチューニングでさらにアレンジを進めてみたいと思います。
レギュラーチューニングでは解放弦で①弦から⑥弦まで順番にEBGDAEと並びますが、この調弦では⑥弦を④弦のオクターブ下の音程とし、EBGDADとなります。
音を変える際はチューナーで合わせてよいですが、美しく重厚な響きを得る為に④弦と併せて鳴らしてオクターブユニゾンの響きを確認したりDの和音が綺麗に響いているか等も確認して、厳密なチューニングを心がけましょう。
先の形から、原曲にあった伴奏のフレーズ等も参考にしつつ音の配置を変化させてみました。
シンセサイザで楽譜を再生したものはこちら
演奏のポイントとしては、左手のポジション(何フレットに人差し指から順番に準備するか)と、指番号の整頓、右手についてもpimaの各指をどのように使って音を出すのかを明確にしつつ、決して速く弾こうとせずゆったりとしたリズムで穏やかに歌う印象で進めて参りましょう。
一か所ナチュラルハーモニクスを使う部分がありますが、ここも落ち着いて左手を添えてから右手の親指でしっかり弦を弾けば音は出ます。その際、通常左指で押さえる位置よりも少しフレットの真上に指が来るように触りましょう。「押さえる」では無く「触る」というのがポイントです。
うまく行かない方はいつでもお気軽に当教室へお越し下さい。
もちろん取り組む楽曲はクリスマスソング以外でも大丈夫です。
皆様が楽しいクリスマスシーズンを過ごされますように。