ワンポイント講座『アルペジオ練習の効果「上手にジャカジャカするには…」』

ある程度独奏の楽曲が弾けるようになってもうっかり違う弦を弾いて雑な音が出てしまったり、コードストロークやカッティングで左手の形は完全なはずなのに何故かアーティスト本人のように綺麗な音が出なかったりする(実は弾かなくていい弦を弾いてしまっている場合があるのです!)ことはないでしょうか?

ギター(ウクレレ等も)は左右の手が連動して演奏する楽器ですので、どちらかのみに原因がある事は少ないかとも思われますが、上記のような「誤って意図しない場所を弾いてしまう」状態は「右手」の練習で改善していけます。

一般的にギターには6本弦が張ってありますが、その6本弦それぞれの距離感や位置感覚を正確に把握して弾く事が出来るようになればよいのです。

今回はその為の練習としてアルペジオの練習を提案します。

アルペジオとは分散和音を意味し、コードストロークだとジャラ~ンといっぺんに弾くところを5弦ド、3弦ソ、2弦ド、1弦ミ…(Cメジャーの場合)と1本ずつ分散して弾く弾き方です。

クラシックギター等で使う指で弾く方法と、フォークやエレキでピックを使って弾く方法とでかなり具体的な弾き方は異なるのですが、今回はそれらの説明は省いて「右手技術向上の為の弦幅の把握」をテーマに進めて行きます。

先ずはシンプルなコード進行を準備します。
毎度おなじみの童謡を元にしたものでもよいですし、少し和音の組み合わせ方を知っている方なら自分でコード進行を考えて作曲してしまうのも楽しいかも知れません。

今回は初心者の方でも取り組みやすい楽曲としてハ長調(Cメジャー調)の「きらきら星」を使用して解説します。
きらきら星を使った練習

先ず、メロディとコード進行を確認します。お手元にコード表を準備してメロディと拍子を確認して、コードが変わるタイミングに合わせて鼻歌でも歌いながら確認が出来るとよいです。
五線譜が苦手な方の為に補足するとメロディの音名は「ドドソソララソ、ファファミミレレド、ソソファファミミレ、ソソファファミミレ、ドドソソララソ、ファファミミレレド」となります。
メトロノームをお持ちの方はメトロノームを使いながら(スマホアプリもあるようです。)コードストロークの流れを覚えてしまいましょう。

次に、下の譜面をご覧下さい。
きらきら星によるアルペジオ練習

メロディ譜に書かれたコードを確認してもらうと、コードの構成音にはこちらの楽譜で出てきているものよりも沢山の音が含まれていると思いますが、アルペジオにする際に弾きやすいように抜粋したとお考え下さい。

それぞれ「何弦」を弾くのかを意識して、例えば1小節目は「⑤③②③ ⑤③②①」と右手に集中して撥弦の間隔を確認しながら練習しましょう。

指で弾く場合は棒が下を向いた2分音符はp指(親指)で、それ以外をi(人),m(中),a(薬)指を組み合わせて演奏します。楽に弾ける順番で、無理がないように慎重に決めたら、どの指を使うのか明確にするため書きこんでしまいましょう。

これだけでも初歩的な「右手技術向上の為の弦幅の把握」の練習にはなりますが練習する皆さんのオリジナリティを出すためにも、パターンを変えてみるのも面白いですし、さらに違った意味でも大変練習になります。

例えば16分音符にしてCメジャーのコードは「⑤③②③①③②③」で2拍、というパターンだと、少し軽やかな動きで練習が出来ますし、指弾きでもピック弾きでも譜例のパターンよりは工夫が必要になります。コード表を確認しながら色々なパターンを考えてみるとよいでしょう。(ここでも鳴らさない弦には注意!)

クラシックギターの場合は長い歴史の中で蓄積されたエチュードの中からご自分にあったものを選ぶのもよいかも知れません。

アグアド、ジュリアーニ、ヴィラ=ロボス等の有名なエチュードを始め、沢山のアルペジオの練習曲が存在します。ある程度進行を覚えたら上記を応用して「何弦を何指で、どう弾いているのかを確認しながら」弾きましょう。また、楽譜をよく見ると、沢山の技術向上の為のヒントが実は書かれていたりしますので、指使いや弦の指定、音のつなぎ方等やその他の表記にも注意してゆっくり丁寧に弾いてみる所から始めましょう。

秋葉原、神田、岩本町から歩いてすぐのギター教室にてレッスンをしています。
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