本日はギターと五線譜についての記事を書いて参ります。
市販楽譜やインターネット上で公開されているコード表等を見ながら独学でギターを弾いてこられた生徒さんの多くが、五線譜を読むことを苦手とされているようです。
また、ピアノや吹奏楽の経験がある方は五線譜は読めますが、ギターでは今日ポピュラー分野では特によく使用されるタブ譜やダイアグラムを読むのを苦手とされる傾向があるようです。
普段レッスンをしていて新しく入ってこられた生徒さんからの楽譜に関する一番多い質問としては「どうやって五線譜を読んでギターを弾けばいいんですか?」というものです。
ピアノや管楽器と違って、ギターは複数の弦に同じ音程の同じ音が存在します。
(例:同じEの音程が①弦解放、②弦5フレット、③弦9フレット、④弦14フレット…等で出せる)
そのため、ギターの演奏の経験がある方でないと単純に五線譜を読んだだけではどこをどう弾けばよいのか混乱しがちになるのです。
ギター用に書かれていない五線譜を単純に弾けるようにするには、下記譜例のように五線譜のそれぞれの音に弦の番号を振ればわかり易くなります。
譜例:弦番号の表記を説明(バッハの無伴奏チェロ組曲1番前奏を例に)
昔からギターの楽譜では習慣的に○で囲んだ番号は弦番号を表す、という風に記譜します。
右指の記号は以前音階の項目でも解説しましたが、親指がp、人差指がi、中指がm、薬指がa、小指がchで表されます。
左手の番号は人差し指から1、中指2、薬指3、小指4と記され、押さえないで撥弦する解放弦は0の番号が振られます。
他にも五線譜におけるギター独特の要素としては、右手のアルファベット記号、左手の指番号、ポジションの表記やセーハ(バレーとも呼ばれる)の記号等が存在します。
また、下記のようなスラーが書かれた音では低い側の音から高い側の音に進む場合は左指で叩くような動きで音を出し、高い方から低い方へ進む場合は左指で引っ掛けるようにして音を出します。
CⅡあるいはBⅡは2フレットを左の人差し指で縦に覆って複数の弦を押さえるセーハを表し、5posの様に書かれている場合は第5ポジション、左の人差し指が5フレットの位置にある状態で演奏するようにします。
線で繋がった音符は弦から指を浮かさずに滑らせて左手を移動させ、ポルタメントしながら演奏します。(ポピュラーではスライドと言った方が伝わりやすいでしょう。)
編曲、作曲等で「ギターで演奏する楽譜を作成する」際には基礎的な音楽の仕組みをベースに、上記のような記譜の方法に則って音を配列していきます。
また、五線譜でもタブ譜でも同様ですが、既存の楽譜の旋律やリズム、和音の情報を上記のようなギターの奏法に直結した記譜法に則って整頓する事で「ギターで弾く為の音楽」に変化させていく事が出来るでしょう。
一方で「楽譜を読んでギターを弾く」為の練習もまた大変重要な事です。
楽譜を読めるようになりたい方、より詳しく学ばれたい方はお気軽に当教室へお越し下さい。
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